男の離婚の基本戦略(親権→言うべきことをいいながら実をとる)

離婚においては、複数の問題がからむことが多く、一概にどのような戦略がよいとは言い切れることは多くありません。とはいえ、一つ一つの問題についての、基本戦略を明確にしておくことは、総合的な方針を立てる上では、必須のこととなります。

ここでは親権の基本戦略を書きます。

親権については、現状、男側にとって、とても不利です。少なくとも、子どもが母親と同居している場合には、母親が子どもを虐待している等の極端な場合以外は、男側が親権をとることは困難です。

どうしても親権が欲しい場合は、母親と子どもが一緒に住んでいて、自分は別に住んでいるという状況を作らないことが大切です。とはいえ、いったん、この状況が生まれてしまった後に、子どもと同居しても「連れ去り」だなんだと言われて、結局不利ですので、家族皆が同居している状況から、父親と子どもが同居し、母親が別居している状況にできる可能性があるのであれば、その機会は大切にすべきでしょう。

しかし、母親と子どもが一緒に住んでいて、自分は別に住んでいるという状況が生じてしまった場合は、実をとることも考える必要があります。この場合、実が何かをじっくり考える必要があります。

①子どもと触れ合う時間をできる限り作ることなのか
②今後、子どもに養子縁組等の重大な身分変動が起こりうるときに勝手なことをされないようにすることなのか
③将来、子どもに対して自分は本当に一緒に暮らしたかったんだということを説明できるようにしておきたいのか

といったことです。

仮に①子どもと触れ合う時間をできる限り作ることが大事なのであれば、たとえば月複数回の宿泊付きの面会交流等を約束させるなどの最終決着を目指すことも見据える必要があります。この場合、充実した面会交流を提案する側こそ親権者にふさわしいという主張をして、相手にも充実した面会交流状況を提示するような方針が考えられます。

②の場合、親権と監護権を分離して、親権はこちらだが、実際に一緒に生活するのは母親(監護権は母親)という決着を見据えることも考えられます。この決着は、裁判所は嫌がることが多いです。しかし、母親が再婚して再婚相手と子どもが養子縁組をした場合、離婚時に約束した面会交流の約束が破られてしまい、有効な手段がなくなることがあります。これを防ぐには、こちらが親権者になるしかないという旨を主張すればよいです。

③の場合、親権の決定は最終的に裁判所に委ねる(つまり、離婚の決着は家庭裁判所の判決に委ねる)という解決を見据える必要があります。協議離婚なり、裁判所での調停なり和解なりで離婚して親権を決めた場合、こちらが本当は親権者になりたかった事情は公的な文書には一切残りません。しかし、離婚の判決書の中では、親権者を裁判所が決めた理由が記載され、その中でこちらが親権を望んでいたこと(さらにこちらが主張した主な理由)が明示されます。

いずれの場合も、こちらが親権を真剣に望んでいるのであれば、言うべきことをきっちり言っていくことが必要です。現状は、上記の通り、かなり不利な状況ではありますが、中長期的には裁判所の判断も変わっていくことが見込まれ、現状でもその兆しはあります。

ですから、今後同じような苦労をするであろう将来の父親のためにも、また自分が先例的事案になれる一縷の望みにかける意味でも、母親と子どもが一緒に住んでいて、自分は別に住んでいたら親権は難しいという実情に対してしっかり異議申し立てすべきといえます。

弁護士紹介

弁護士柳下明生

弁護士 柳下 明生
マイタウン法律事務所離婚主任弁護士。男性の離婚事件を数多く扱う。

親権
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