離婚を考え始めたり、妻から離婚を求められたりすると、まずは書籍やインターネットで情報収集をされる方が多いのではないでしょうか。書籍やインターネットで情報収集をすると、「弁護士」の三文字が随所に登場することと思います(当サイトも例に漏れず)。
ただ、書籍等で「弁護士に相談」「弁護士をたてる」と書かれていても、「弁護士事務所に行くのが面倒」、「弁護士って高いお金を取るんでしょ?」、「弁護士って何だか怖い…」等々の理由から、弁護士の利用まで踏み切れない方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、男の離婚を多く取り扱う弁護士の立場から、「弁護士をたてるタイミング(相談・依頼のタイミング)」について解説します。
弁護士に相談するタイミング
離婚について話し合いを始める前(推奨)
男の離婚の観点からすると、弁護士に相談するおススメのタイミングは、
です。妻と離婚について話し合いを始める前に、一度ご相談いただくのがよいと思います。
なぜなら、離婚は、男性にとって大きな負担となることが多くあります。離婚の話し合いがまとまらなければ、離婚調停→離婚訴訟と進んでいくことになりますが、離婚調停・訴訟になった場合に、裁判所が男性に有利な判断をするのかというと、そうではないのが現状です(詳細は、これまでのコラムをご覧ください)。
そうなると、男性が有利な離婚条件を勝ち取るために一番注力すべきは、「離婚協議」ということになります。男の離婚においては、「離婚協議」を上手くかつ慎重に進めることが重要となります。妻と離婚について話し合いを始める前に、一度弁護士に相談し、きちんと方針・見通しを立てて話し合いに臨んでいただくのがよいと思います。
調停や訴訟が始まった、協議書案や調停条項案が出た(強く推奨)
弁護士に相談をするおススメのタイミングは上記のとおりです。とはいえ、日々忙しく過ごしている間に、上記タイミングを逃してしまうこともあるでしょう。その場合でも、以下のときには、一度弁護士に相談に行くことを強くおススメします。
- 妻から調停や訴訟を起こされたとき
- 妻に弁護士がついたとき
- 離婚協議書案や調停条項案ができたとき
1~2の場合は、紛争が深刻化してきていると言えます。
お一人での解決が難しい状況になっている可能性がありますので、一度弁護士に相談をしてみてください。
調停や訴訟の途中で弁護士に相談をすることもできますが、ある程度調停や訴訟が進行してしまうと、取り返しがつかないこともありますので、1~2が発生した場合は早めに弁護士にご相談ください。
3の場合は、必ず、離婚協議書に署名押印をする前・離婚調停を成立させる前に弁護士にご相談ください。
離婚協議書や調停調書で一度合意をしてしまうと、あとで合意内容をくつがえすことは、ほぼできません。ですので、離婚協議書に署名押印をする前・離婚調停を成立させる前に、弁護士に相談をし、離婚協議書案や調停条項案に問題がないか事前にチェックするのが安全です。
弁護士に依頼するタイミング
依頼せず、相談だけでもOK
弁護士に相談することと、弁護士に依頼することは、イコールではありません。弁護士に相談したからといって、依頼をしなければいけないというものではないのです。相談者によっては、妻との離婚交渉はご自身で行い、要所要所で弁護士相談を利用してアドバイスを受けに来る、という方もいらっしゃいます。
離婚交渉・離婚調停・離婚訴訟のいずれの段階でも、弁護士に依頼することができます。
弁護士に依頼をした場合は、弁護士があなたに代わって妻と離婚交渉をしたり、あなたと一緒に調停に出席したり、あなたに代わって訴訟書類を作成し、裁判に出席したりします。
離婚協議・離婚調停について、弁護士に依頼した方がよいのかは、ケースバイケースです。離婚協議・離婚調停は、基本的には話し合いの手続きですので、ご本人のみで対応される方もいらっしゃいます。
弁護士に依頼すべきか判断に迷う場合は、「今、自分は弁護士に依頼をした方がよい状況にあるのかどうか」について弁護士に相談することもできます。
離婚訴訟は、弁護士に依頼するのがおすすめ
離婚訴訟については、弁護士に依頼することを強くおススメします。
離婚訴訟は、離婚協議・離婚調停とは異なり、基本的には話し合いを行うものではありません。お互いの主張をぶつけ合い、裁判所に判断を仰ぐ手続きです。そのため、訴訟手続は複雑で分かりづらい部分が多くあります。後悔のないよう専門家に依頼することをおススメします。
なお、当事務所の相談料及び弁護士費用については、以下をご参照ください。
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弁護士 磯田 裕之
マイタウン法律事務所所属の弁護士。男性の離婚事件を数多く扱う。