あなたが妻に離婚を求めていく立場であっても、妻から離婚を求められている立場であっても、離婚成立までの流れを把握しておくことはとても重要です。なぜなら、離婚成立までの流れをきちんと把握しておくことで、あなたがどのように行動していくべきか方針を定めることができるからです。
離婚の種類
一口に「離婚」と言っても、以下のように大きく分けて3種類の離婚があります。
- 協議離婚(夫婦間の話し合い)
- 調停離婚(家庭裁判所での話し合い)
- 裁判離婚(裁判官による判決)
夫婦間で離婚の話し合いがまとまらなければ、①→②→③と進んでいくことになります。世の中の離婚の9割方は①の協議離婚です。
離婚成立までの流れ
離婚成立までは、以下のような流れをたどります。

離婚成立までにかかる期間の目安
「結局、離婚が成立するまでどのくらいかかるのか」は、多くの方が気になるポイントだと思います。あくまで一般的な目安であり、事案の内容や相手の対応によって大きく変わる点はご留意ください。
- 協議離婚:お互いが条件に合意さえできれば、数週間程度で成立することもあります。一方、条件面で折り合わなければ、話し合いが数ヶ月〜1年以上続くケースも珍しくありません。
- 調停離婚:最高裁判所「司法統計年報 家事編」(令和7年)によると、離婚・円満調整・婚姻費用分担などを含む「婚姻関係事件」全体の平均審理期間は約7.0か月です(このうち離婚の申立てが全体の約6割を占めています)。月1回程度のペースで期日が開かれ、数回のやり取りを経て結論に至るのが一般的です。ただし実務上は、離婚調停だけでなく、婚姻費用分担調停や親子交流調停が同時に進行するケースも多く、その場合は論点が増える分、この平均よりも長引く傾向があります。
- 裁判離婚:最高裁判所事務総局家庭局「人事訴訟事件の概況」によると、離婚訴訟の平均審理期間は年々長期化する傾向にあり、令和7年は15.5か月となっています(参考までに、平成28年は12.7か月でした)。争点が複雑な場合や、双方の主張が大きく対立している場合は、さらに長期化することもあります。
このように、話し合いがまとまらず段階が進むほど、成立までの期間は長くなる傾向があります。「早く終わらせたい」という場合には、この期間感を踏まえたうえで、どの段階でどこまで譲歩するかの方針を立てることが重要になります。
離婚成立までの流れに関する注意点
協議をせずに調停を申し立てるか?
原則として、離婚裁判は、離婚調停を行った後でなければ提起することができません(「調停前置主義」といいます。)。そのため、離婚協議が決裂した場合は、通常、離婚調停へ進むことになります。
他方で、離婚調停の前に離婚協議を行わなければならないというルールはありません。したがって、離婚協議を経ずに離婚調停を行うことは可能です。
では、「離婚協議を行わずに、サクッと離婚調停を申立ててはどうか?」。これが良策かは、ケースバイケースです。弁護士等に相談して、しっかりと方針を立てることをおすすめします。
裁判になったとき、裁判所がどのような判断をしそうか?
協議離婚及び調停離婚は、夫婦間で合意ができなければ成立しません。時折、「調停をすれば、裁判所が離婚すべきかどうかを決めてくれるんでしょう?」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、それは誤りです。調停になったとしても、裁判所が離婚すべきかどうかを決めてくれることはありません。
他方で、裁判離婚では、夫婦間で合意ができない場合でも、裁判官が離婚すべきと判断すれば離婚が成立します(逆に、裁判官が離婚すべきでないと判断すれば離婚できません。)。
つまり、あなたが離婚を求めていく立場にある場合、裁判をしたら勝てる状況にあるのであれば別ですが、そうでなければ、協議または調停での離婚成立を第一に目指していく(妻の合意をとりつけるべく行動していく)ことになります。
相手が離婚したがっているが、自分は離婚したくない場合、協議及び調停の段階では、あなたが離婚を拒否し続ければ離婚は成立しないということになります。
これまでの内容から分かるように、離婚の方針を決めるにあたっては、「離婚裁判になったときに、裁判所がどのような判断を出しそうか」という見通しを立てる必要もあります。




