結論:やってはいけない対応と今すぐすべきこと
やってはいけない対応
- 完全に無視して放置する
- 慌てて感情的な返事を送る
今すぐすべきこと
- 手紙(と封筒)を捨てずに保管する
- 期限が書いてあれば、その期限までに一報を入れる
まずはこの4点だけ押さえておけば大丈夫です。あとは詳しく見ていきます。
この手紙が届く理由
ある日、妻の代理人を名乗る弁護士から「貴殿との離婚について、当職が代理人となりました」といった内容の手紙(受任通知)が届く。これは、離婚に向けた交渉が次のステージに進んだことを示すサインです。
「脅し」や「最終通告」というわけではなく、今後の窓口が妻本人から弁護士に変わったことを知らせる事務連絡です。
手紙は、内容証明郵便で来る場合、普通郵便で来る場合、書留で来る場合があります。多くの弁護士は決まったスタイルで送付しているだけなので、郵便の種類自体が内容の重大さを表しているわけではありません。
無視するとどうなるか
突然のことで、「どう返事をすればいいかわからない」「考えたくない」と、そのまま手をつけずに放置する方も少なくありません。ですが、これはあまりおすすめできません。
無視した場合、主に次の2パターンが考えられます。
- 何も起こらない:相手も次の一手を検討中で、しばらく音沙汰がないケース
- 調停や訴訟に発展する:話し合いでの解決をあきらめた妻側が、家庭裁判所に調停を申し立てるケース
すぐに返答するのが難しい場合でも、「弁護士に相談してから改めて連絡する」という一報だけでも入れておきましょう。それだけで、「無視されている」と受け取られて調停の申立てに進まれてしまう事態を防ぎやすくなりますし、あなたが逃げているのではなくきちんと向き合おうとしていることも伝わります。
対応に期限はあるか
手紙の中に「〇月〇日までにご連絡ください」といった期限が明記されている場合と、されていない場合があります。
- 期限が明記されている場合:その日までに連絡が取れなくても、遅くとも数日以内には弁護士事務所へ一報を入れましょう。無視を続けると、相手が調停申立てに踏み切る材料になります。
- 期限が明記されていない場合:急いで返事をする必要はありません。ただし、手紙(と封筒)は捨てずに保管しておきましょう。「婚姻費用を請求する」の記載がある場合は、次の項目で説明する理由から特に重要です。
「婚姻費用を請求する」という内容には注意!
文中に「婚姻費用を請求する」「生活費をお支払いください」といった記載があり、それが内容証明郵便や書留で送られてきている場合には、注意が必要です。
というのも、婚姻費用の支払いは通常「調停申立時」を起算点とすることが多いのですが、調停申立て前にすでに請求していたことをきっちり証明できれば、より早い時期(妻に有利な時期)からの請求が裁判所に認められる可能性があるからです。
つまりこの一文が入っている手紙は、単なる連絡ではなく、将来の婚姻費用請求に向けた布石である可能性があります。
呼び方(貴殿・当職)は気にしなくてよい
手紙の中で、あなたのことを「貴殿」、弁護士自身のことを「当職」など、普段使わない堅苦しい言葉が使われていることがあります。これは弁護士が使う定型的な表現なだけですので、特に気にする必要はありません。
「〇〇してください」という要求への対応方法
「話し合いをしたいので連絡ください」
ご自身で弁護士と交渉するか、こちらも弁護士に相談することを検討しましょう。
無視していれば、何も起きないか、調停がはじまるかという展開が予測されます。指定された日の都合が悪い場合は(普通はそうだと思いますが)、調整のための電話連絡をすれば大丈夫です。
「調停を申し立てる予定なのでお待ちください」
「お待ちください」とあっても、何か言い分があったら弁護士事務所に連絡してみても大丈夫です。
妻の弁護士のスタイルによって、話になるか、そもそも電話に出ようとしないか等、色々ありえます。
「今後は弁護士が窓口になるので、本人に直接連絡しないで」
たいていこの言葉が入っています。
弁護士が借金整理の代理人になる場合は、消費者金融会社は直接本人に連絡してはならない法的根拠がありますが、離婚の場合にはそのような法的根拠があるわけではありません。
では・・・?というあたりは法律相談で聞いてみましょう。
まとめ
- 受任通知は「交渉のステージが進んだ」サインだが、脅しや最終通告ではなく事務連絡であり、それ自体を過度に恐れる必要はない
- ただし無視を続けると調停等の裁判手続に発展するリスクがある
- 手紙(と封筒)は内容にかかわらず捨てずに保管しておく。「婚姻費用を請求する」旨の記載があれば特に重要
- 迷ったら、返事の内容を決める前に弁護士に相談するのが安全





